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2017.11.21

承認欲求が満たされない、ネグレクト傾向にある、支配的である親に育てられると子供の共感能力は育たない

引きこもりタイプの子供や、インターネット上などで自分の写真を載せるなど承認欲求を満たされたいがために目立つようなことをするタイプの人は、実は人格障害(以下パーソナリティ障害)である可能性があります。逆に、モラハラ夫であったり、部下に暴言を吐くようなタイプの人もパーソナリティ障害である可能性が高いです。    一見すると、この相反する二つの症状、実はどちらも「自己愛性パーソナリティ障害」の症状に当てはまります(1)  細かく分けると、引きこもりタイプは「内向的な自己愛性パーソナリティ障害」で、女性の場合は「境界性パーソナリティ障害」に当てはまります。  一方で、モラハラやパワハラタイプの人は「外向的な自己愛性パーソナリティ障害」であると言えます。   どちらも共通しているのは、   ・共感能力が乏しく、他人の辛さや苦しみが理解できない、かわいそうに思えない(2)。 ・他人の痛みが分からないので、目的のためなら人を人と思わないような言動が取れる。 ・共感能力と自己抑制機能はある程度関連しており、一方が弱いともう一方も弱い(3) ・共感能力と前頭前野の機能はある程度関連しており、一方が弱いともう一方も弱い(4) ・自己評価がとても低いが、気が強く自分のこだわりや意思が強いので、ハタから見ると自己評価が低いようには見えない。 ・自分や自分の能力を認めて欲しいために・・・  →インターネットに依存し自分の顔写真などを度々載せる(5)。  →高い能力を駆使して他人の問題の解決に積極的に関わり周りから賞賛を求める(2)。   などの特徴があるということです。   ケーススタディ   より分かりやすい理解のために、自己愛性パーソナリティ障害と診断された3人の社会生活の様子を症例として掲載します。   ケーススタディ#1 Bさん    Bさんは二人の子供をもつ既婚者です。Bさんは「他人の話を聞き、理解を示すという類稀な特殊能力」を自ら編み出すことで、いかに他者とうまく付き合うか、社会的に生き残れるかを学んだと語っていました。  Bさんは、この「特殊な能力」のおかげで、いかに自分が数多くのビジネスチャンスに恵まれ、利益、役得にありつき、尊敬を集められたかを語りました。  しかしそんな特殊な能力を持っているにもかかわらず、しばしば自分は辛抱強くなくイライラすることがあると自覚しています。妻や同僚がくだらないことでいちいち目くじらを立て、Bさんの作業を邪魔することが多いと感じています。  幼少期、彼はいつも父と母の対照的な関わり方に混乱していました。父はとても心配性で抑圧的であり、一方で母はとても社交性が高く明るい人でした。そのため、夫婦関係はうまくいっていません。母に注目されるには、父を遠ざけることが一番であると子供ながらにBさんは理解しました。 Bさんの妻によると、彼の友人は皆口を揃えてこう言います。 「Bさんは、他人を観察し操作しようとすることが多い。」 Bさんは時にもの静かで、距離をおくことがある。場合によっては、相手をどこか小馬鹿にしたような見下す態度で親切心を示し、かと思えばとても重要な人に対してはとても社交的で気配りが多い。  さらに妻はこう続けます。「私は世界で一番、人思いで心の底から共感してくれる男性と結婚できたと思っていました。彼は私に、親や兄弟との関係がうまくいっていないことが私自身にどんな悪影響を与えているのかを明確に指摘してくれました。さらには、私の友達が離婚寸前まで夫婦仲が悪かったのを見事に解決して、彼らは今はセカンドハネムーンで旅行に行っています。ですが、私と夫の関係は友達みたいには行きません。夫は私に無関心で、私がどんな困難に直面してもその辛さを全く理解できていません。私が直接夫に自分の気持ちや主観を伝えても、心が麻痺しているように反応がないか全く理解したようなそぶりを見せません。それでも辛さを知ってほしくて色々話すと、彼はイライラした様子でとても鬱陶しそうにします。彼の無反応っぷりには絶望さえ覚えました。」  妻が話しているのを隣で目を閉じて聞いていたBさんは静かに目を開けました。Bさんはこう言います。「自分でも何が起きているのかわからないんだ。 妻に色々と言われても私は困るだけでどうしたらいいか分からない。話は聞こえる、ただ理解ができないから頭が回らなくなるんだ。なんと言えばいいか分からないんだ、この話はもうやめにしよう!」     ケーススタディ#2 Dさん    Dさんは大手会社のある部門のマネージャーで、デリカシーのなさと協調性のなさを指摘され、上司からの指示でカウンセリングを受けることになりました。確かに、Dさんは若い頃から「自分は常に優位で偉いんだ」という思いから、対人関係で問題を抱えることが少なくありませんでした。ルールや権力を嫌い、イライラしやすく、他人が自分よりも成功したのを見るととても悔しくて妬ましく思うことがあります。  Dさんはアルコール依存症の両親から不適切な育児を受けて育っており、それにより子供のうちから自分だけの力だけで生きていかなければならない、他人に頼っても仕方がないという思いが強く根付きました。学校などでは自立していることを誇りに思っていた反面、家の中では弱く、常に下の立場でいなければならないことで劣等感と無力感にさいなまれ、どちらが本当の自分なのか分からず苦しんでいました。  Dさんは学校ではスポーツが得意でしたが、家族のことで常に精神的な葛藤を抱えていました。そのため、両親のことをとても恨んでおり、しかしながら同時に、親に認めて欲しいという思いもあり、常に板挟み状態でした。両親は決して認めてくれることはないということに気づくのもそう遅くありませんでした。  専門職に就いてからは、周りの要望や指図などに対してとてもイライラしやすくなることが増えました。  Dさんは渋々カウンセリングを受けるとこう言います。「上司はいつも私に何か問題があると指摘してくる。中には顧客のクレームに対してあまりに無頓着であるとさえ言われた。しかし私には一体なんのことか分からない。私はやるべきことはやっている、自分の責任はしっかりと果たしている。にもかかわらず私が見落としていることを何かしら毎回指摘して、それがとてもイライラするんだ!」  Dさんはこう続けました。「だが、私のスタッフはよくいろんな相談を持ちかけてくるんだ。彼らの個人的な悩みなどを私が解決してやるんだ。仲裁もよくやっている。そういうことをすると、なんだか自分が関わることで心が満たされたような、自分が管理しているような優越感と相まって気分がいいんだ。」  しかしながら、Dさんは妻や両親の文句には耐えられないとも語りました。イライラして、負担に感じると。「私がどれだけ頑張っても、いつも何か文句をいってくるんだ。もうどうなったっていい、知るか。彼らが聞く耳を持たないんだ、俺にはどうすることもできない。」   ケーススタディ#3 Gさん  Gさんはシャイな30代の独身女性です。彼女は自分のことを「とても頭脳明晰で洞察力に富む、一方で常に感じる不安感や過覚醒状態に苦しんでいる」と説明します。  完璧主義者で自分のポテンシャルの高さとは裏腹に、仕事先のスタッフとはうまくいっていませんでした。 仲間と協調しなければならない時が一番苦痛で、自分の作業時間やスペースが無駄に使われているように思えてイライラしてしまいます。  Gさんの父は、彼女が2歳の時に去りました。その後、すぐさま再婚した父に会えたのは年に数回ほどでした。Gさんは、再婚した父の人生を恐れ、妬み、憧れが混ざったような感情を抱いていました。というのも、父は再婚相手ととても幸せな家庭を築いていたからです。  父に会うたびに、ネガティブ思考で文句ばかり言う母と暮らしている自分の生活との差が浮き彫りになります。  Gさんは大きくなるに従って、気づけばいつも誰かと自分を比較して、褒めてもらえるところはないか、承認されないかと考えることが増えていました。無視、批判、その他ポジティブな評価や注意を向けてもらえないと、イライラして辛くなることにも気づきました。 カウンセリングでは、職場の同僚の話についていけないと嘆いていました。  「みんなの個人的な問題を職場に持ち込まれても私は何もできない。母を交通事故で亡くしたり、癌で息子が亡くなったと言う話を聞かされても鬱陶しいだけで嫌なの。みんな私が冷たい人間だと言うけれど、私はただ仕事に集中したいだけなの。これじゃあ、私が部外者みたいな気持ちになってつらい。スタッフが部屋でおしゃべりしていたら、私は彼らを避けて部屋からいつも出ているの。私はドナーカードを持っていて、癌基金に寄付だってしている。私なりに気を遣っているつもりよ、ただみんなの個人的な問題を聞かされて、仕事を邪魔されるのが耐えられないだけ。」   脳科学の観点から考えられる脳機能の異常とは    脳機能的に何かしらの異常が認められるとしたら、一番考えられるのが「信頼感、共感能力」と関係が深いホルモンである「オキシトシン」に関する異常です。実際、不適切な育児などによる長期的なトラウマによってオキシトシン受容体が正常に増えなくなるということが分かっています。オキシトシンをキャッチするための機能が備わっていないと、せっかく分泌していてもほとんど効果がないので、結果的に他人の痛みなどを理解することが難しくなると考えられます。  他にも「脳由来神経栄養因子(BDNF)」と呼ばれる神経を育てる栄養が出にくくなることも分かっています。それ以外にも長期的なトラウマによる様々な脳機能障害が数多くの研究で分かっています。   まとめ   自己愛性パーソナリティ障害の人の特徴   ・他人の問題解決に積極的に関わることで、自分の価値を再認識する ・自分の顔写真などを積極的にインターネット上に上げることで、賞賛されて自分の価値を再認識する ・他人の痛みや気持ちを上手に理解できないために、他人と関わるのが苦手か、協調性がない ・抑圧的な親、アルコール依存症、ネガティブ思考な親、シングルペアレントやネグレクトなど、幼少期の不適切な育児が子供の将来のリスクを高める ・不適切な育児により、脳の成長が阻まれ機能が低下する   参考文献   (1)Developmental Psychopathology of Narcissistic Disorders (2)Empathy in Narcissistic Personality Disorder: From Clinical and Empirical Perspectives (3)Individual differences in inhibitory control and children's theory of mind. (4)The relationship of theory of mind and executive functions to symptom type and severity in children with autism (5)Association between physiological oscillations in self-esteem, narcissism and internet addiction: A cross-sectional study.  
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